Jun 16, 2016

ナースがコミュニティを作る強みは「傾聴力」にあり!?-第1回プロジェクトリポート【後編】

傾聴力がめちゃくちゃ高い

こんにちは、コミュニティナース育成プロジェクト事務局の齋藤です。

第1回のプロジェクトリポートを、本当は1本だけ書くつもりでいたのですが、気がつけば前編と後編に分かれています。

前編では、コミュニティづくりの現場において大切になるのは実は「PDCAサイクル」ではなくアイディアから始まる「IDCAサイクル」である、という話を紹介しました。これは様々なビジネスの現場においても応用できるのでは?というものでした。

後編では参加したナースたちの”ここが凄い!”というポイントを紹介します。

前編の記事はこちらからご覧いただけます。
コミュニティづくりの現場では「PDCAサイクル」を回すのは実は非効率的!?-第1回プロジェクトリポート【前編】

ナースたちは”聞く力”がバツグンに高い!

コミュニティナースたちが学ぶべきこと
ナースたちの何がすごかったのか、一言でいえば聴く力「傾聴力」です。傾聴力とは何か、今名付けた能力ですので簡単に解説します。

傾聴とは、

-真剣に聞くこと(大辞林)

です。
そのため「傾聴力」とは「真剣に人の話を聴く力」です。普通の「聞く / 聴く」よりもさらにレベルの高い概念です。「聴く力」では収まらないくらいに、ナースたちの聴く力がすごかったのです。

自分の「ポジティブ」と「ネガティブ」の目盛を知る

ポジティブな話からネガティブは話まで聞き出します
ワークのひとつに、自分が「ポジティブな感情」と「ネガティブな感情」を抱いた経験を語る、というものがありました。

たとえば、チームメンバーの一人が常にネガティブなオーラを発しているとなんだかこっちも元気がなくなってしまう…、そんな経験はありませんか?
逆に「どんな逆境でもポジティブな人」がいることで精神的に救われた、なんてこともあったりするのではないでしょうか。

このワークは自分の精神状態がネガティブに近づいていればいるほど、コミュニティのメンバーに悪影響を及ぼしてしまう恐れがあるため、そうなることを未然に防ぐための練習ワークです。

ネガティブな話も丁寧に聞き出します

このワークでは自分の「ネガティブな感情をいだいた経験」を人に話すシーンがありましたが、ここでナースたちの傾聴力が発揮されました。

想像してみて欲しいのですが、初対面の人に対して自分の「ネガティブな感情をいだいた経験」をすんなり話すことができますでしょうか?
私にはできません…。

しかしナースの方々は普段から「人の話に耳を傾ける経験」をしているそうです。思い返せば私も、虫垂炎で入院した時に看護師さんにものすごく丁寧に話を聞いてもらったことが…。

しかし考えてみればこれは地域づくりにおいて非常に重要なスキルです。というのも、人々のホンネを聞き出すためにはその人にとっての「辛い経験」や「苦しかった話」を聴く必要がある場合があるからです。

「個」から「集団」への意識のシフト

矢田さんから様々なことを学びます2
傾聴のプロであるナースたちにとって、地域づくりの現場に飛び込むための課題の一つは傾聴する相手を「個」から「集団」にシフトすることです。

地域では極端な話、生まれてから今日まで70年間の付き合いのある人々の間に入り話を聞く必要が出てきます。そのためには「個」の話を聴くことから「集団」の話を聴くことへと意識のシフトが必要だそうです。

それはこれまでの病院の中のナースの働き方とは大きく違うところがあります。つまりコミュニティナースとは、これまで病院の中で働いてきたナースたちの新しいキャリアの選択肢となるものです。

それは「地域に溶け込んで活動するナース」という姿ですが、コミュニティナースになるために”全く新しい技術を習得する”こととは少し違う部分があります。どちらかというと第1回の内容は、これまでナースたちが培ってきた技術を”拡大”するイメージの方が近いように感じました。

第2回では、コミュニティづくりの専門家である友廣 裕一さんを招いて、コミュニティナースの視点から地域の健康づくりのデザインについて取り組みます。

どうぞお楽しみに!

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前編の記事はこちらからご覧いただけます。
コミュニティづくりの現場では「PDCAサイクル」を回すのは実は非効率的!?-第1回プロジェクトリポート【前編】

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