コミュニティづくりの現場では「PDCAサイクル」を回すのは実は非効率的!?-第1回プロジェクトリポート【前編】
こんにちは、コミュニティナース育成プロジェクト運営事務局の齋藤です。
先日、6月1日、我楽田工房にてプロジェクトの第1回が開催されました。第1期生となる今回は、総勢12名のナースが参加しています。
僕は看護師ではありませんが、講師の矢田明子さんの話は目からウロコなことがたくさん登場してきました。
一方で、参加者のナースの方々の”スゴさ”も目の当たりにしました。
今回は、第1回の様子を目からウロコな話とナースたちの様子の2つの視点からご紹介します。
コミュニティづくりの現場では「PDCAサイクル」を回してはいけない!?
ビジネスマンであれば多くの人が聞いたことがあるであろう「PDCAサイクル」という考え方。これは
P = Plan 計画
D = Do 実行
C = Check 点検
A = Act 改善
という4つの段階をプロセスを通じて徐々に成果を上げていく考え方です。元々は製造業の現場で生まれ、トヨタ自動車などが採用していることでも有名です。
しかしコミュニティづくりの現場においては、実は「PDCAサイクル」を回してはいけない、という考え方が今回の講義の中で登場しました。
なぜなら「PDCAサイクル」は事前に「P = Plan 計画」が立てられないと行動できないからです。代わりに「IDCAサイクル」が必要ということでした。
コミュニティづくりは「IDCAサイクル」で動くべき
コミュニティづくりの現場において「PDCAサイクル」の代わりに必要になる「IDCAサイクル」とは、まずはこの4つのアルファベットの意味から紹介します。
I = Idea アイディア
D = Do 実行
C = Check 点検
A = Assesment 評価
「PDCAサイクル」との違いは最初に「I = Idea アイディア」から始まるという点です。実際、コミュニティづくりの現場において最初から全ての材料を予想することは難しい状態です。
なぜなら、最も大切なコミュニティを構成する「人」がどんな人がいるのか事前に100%調査することは不可能だからです。
そのためPlan(計画)を綿密に立てて行動することが難しいのです。そこで、代わりにIdea(アイディア)で行動をスタートさせます。
Plan(計画)とIdea(アイディア)の違いは、周囲の人の参加の仕方にあります。Plan(計画)の場合は、すでに役割が決められており、例えばイベントの運営であれば「受付」や「司会」など、その役割を担当する人を探す巻き込み方になります。
一方Idea(アイディア)の場合は、決まっているのは「何をしたいか」だけです。例えば「まちの人みんなが楽しめる音楽祭を開きたい!」というのはアイディアですが、まだ計画にはなっていません。
この段階からコミュニティの人々を巻き込むと、
Q どこで音楽祭を開くの?
Q 誰が演奏するの?
Q 楽器を準備するのは誰?
という具合に具体的なものから抽象的なものまで様々な「問題」と衝突します。
一見すると計画するよりも非効率的に見える「アイディアから始める」方法ですが、ことコミュニティづくりにおいては実は効率的な方法です。
なぜなら、コミュニティづくりの最大の目的は「コミュニティに属する人がお互いを尊敬しながらつながること」だからです。
矢田明子さんはこれを独自の概念として
お互いを”好き”だと感じる心の密度
=人好密度(じんこうみつど)
と呼んでいます。
新しいことを始める時は、アイディアから巻き込もう!
新しいことを始めるときは、計画ではなくアイディアの段階からチームを作って行動すること。そしてお互いを”好き”だと感じられる心の密度「人好密度」をなるべく高くなるように意識すること。
第1回のレクチャーの内容で私が最も印象に残ったのはこの学びでした。
なぜなら、この「IDCA」と「人口密度」ってもしかしてビジネスの現場でもめちゃくちゃ使えるのでは…
そんな風に感じたからです。
立ち聞きしているだけのつもりでしたが、思いの外”学び”の多いコミュニティナース育成プロジェクト。
後編では、参加したナースたちの”すごい”能力の一片をご紹介します!
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